先般、「手根骨ざっくり触診」なるもの作成したのですが、間違えや、気づきがありましたので、もう少し、しっかり触診したものを作成させて頂きました。
こちらは文章と写真です。
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被検者の前腕を回内位、軽度尺屈位にする(自然に触診しやすい位置)。
※骨の触診は状況により、指腹より骨の出っ張り(指尖、角、DIPやIP)をつかった方がわかりやすいかったりもします。触り方によっては不快なので注意、
ステップ1
外枠をつくる。
ステップ2
中をうめる。
ステップ1 外枠をつくる。
橈骨手根関節・遠位橈尺関節(手根骨の近位ライン)
1橈骨茎状突起、尺骨茎状突起
やや掌屈位で、両側から真横よりもやや背側から、皮膚のあそびをとりながら、遠位の方でも近位からでも滑らせるとわかりやすい。真横は靭帯があり、まどわされる。
その状態で、橈屈で三角骨は出てきて舟状骨は潜る。尺屈で舟状骨が出てきて三角骨は潜るのを確認。
分回しをしたりしてみてもよい。遠裂隙から舟状骨と三角骨をやや牽引してみる。
両裂隙にマーキング。
※三角骨は案外尺側に出ている。尺側副靭帯にもまどわされないように。
※茎状突起より少し近位に舟状骨・三角骨は入りこんでいるもの。
2 遠位橈尺関節
尺骨頭を尺側から橈側におって、凹の頂点の遠位橈尺関節をみつける。
回外・回内で確認。
3点を結ぶ
手根骨の近位ライン完成!
手根中手関節(手根骨の遠位ライン)
第五中手骨・第ニ中手骨を両側から挟んで、遠位から近位に滑らせて止まったところが骨底と仮定。
第五中手骨-有鉤骨間は単独で動くので確認。マーク。
第一中手骨を遠位から近位に滑らせて止まったところが骨底と仮定。骨底を挟んでモビラーゼーションをかけるように動かして確認。マーク。
3点を結ぶ
手根中手関節・手根骨の遠位ライン完成!
外枠完成!
おおざっぱですが、赤線と青線の中に手根骨がいます( ^ω^ )
ステップ2 中をうめる。
有頭骨Capitate
第三中手を中枢に滑らせて、仮定線(手根中手関節)を過ぎたとこの凹みを確認。
凹みは、有頭骨の真ん中。戻れば関節烈隙、遠位に凸の丸み、月状骨。指を立てて触診でわかりやすい。
月状骨から触診。掌屈で出てくる。近位に滑らせて凹みが有頭骨。月状骨が背屈で潜るのを確認。潜りきって触診出来るのが有頭骨。
月状骨(同時に手根中央関節)Lunate
〇リスター結節から
リスター結節より第3中手骨骨底に向かって線を引く。この線上に月状骨と有頭骨がいる。
〇橈骨下端のラインから
リスター結節やや尺側、または橈骨茎状突起・尺骨茎状突起の中点やや橈側と想定。人により橈骨と手根骨全体の位置が違っている点に注意。
〇有頭骨から
リスター結節やや橈側に。
月状骨が掌屈で出てくる。背屈で潜るのを確認。それを繰り返し、裂隙をみつける。(橈骨手根関節)
最大背屈では有頭骨に触れる。
・手根骨の中で最も近位にあり、橈骨との直達衝撃を最も受ける。
・腱の付着はない。自ら運動を開始することは不可能。靭帯を介して、舟状骨と三角骨の運動が先に生じて、それに連動する。
・橈骨→月状骨→有頭骨の流れは掌背屈運動に重要」
【リスター結節】
基本的には尺骨頭の高さで、橈骨と尺骨の間、橈骨より1/3のところの骨隆起。
橈側は長・短橈側手根伸筋腱が通過。尺側は長母指伸筋腱が通過する。
長母指伸筋腱はリスター結節を滑車として利用しており,運動方向の変換に役立てている。
「月状骨の位置は橈骨上のどこだよ問題」
肢位により変わる。近位手根列は回外では尺側、回内では橈側に移動する。
回内位
リスター結節より第3中手骨骨底に向かって線を引く。この線上に月状骨と有頭骨がいる(一般的な教科書)。
回外位
レントゲン像
リスター結節と第3中手骨底を結ぶ線にはない。遠位橈尺関節橈側あたりにいる。
これは、レントゲン像は解剖学的正位、すなわち回外位の為。
中間位
舟状骨と月状骨の橈側部が橈骨と接触し,三角骨と月状骨の尺側部は関節円板と接触
舟状骨Scaphoid(同時に手根中央関節)
橈骨茎状突起を指先にあてる。指腹を嗅ぎタバコ窩に。掌屈ぎみに尺屈。出てくる舟状骨を触診する。
次に橈屈させていき、潜るのを確認。完全に潜り切ると大菱形骨を触診できる。
大菱形骨を触診したら再度、尺屈(または母指内転)させて大菱形骨と舟状骨の間隙を触診する。
そこから近位掌側に舟状骨結節がある。短母指外転筋が起始(母指掌側外転)する。
第2指と母指の長軸上の交点。ここの指圧はきく。
嗅ぎタバコ窩にあり。尺屈で凸の法則で出てくる(三角骨なら橈屈)。舟と三を同時触診でわかりやすいぞ。
有頭骨からリスター結節尺側へ、舟状骨をみつける。(手根中央関節)
※舟状月状関節
中間位で、月状骨は中間、舟状骨は下45度におじぎの位置。
背屈で月状骨は潜る。舟は中間位置になる。
舟状月凸月状骨凹
大菱形骨Trapezium
中手骨から近位に滑らせて中手骨底を触診。屈曲伸展、分回し(分回しの頂点)で間隙を触診。
舟状骨を触診。橈屈させて舟状骨は潜るため、大菱形骨を触診。(前述)
小菱形骨trapezoid
第2中手骨骨底、大菱形骨、有頭骨の間にいる。
地味だが、変位(背側変位)臨床的意義あり。
三角骨Triquetrum
尺骨茎状突起を触診。遠位尺側の三角の頂点を三角骨と仮定。
掌屈ぎみに橈屈を加えると押し上げるように出てくる。背屈ぎみに尺屈を加えると逃げるように関節内に入り込むのを触診する。TFCCにまどわされないように、側方前方後方、各方向から触診。
橈屈すると出てきつつ背側に動く。尺屈すると潜りつつ、掌側に動く(関節面斜め)。
※三角骨の三角の頂点のとんがり。豆状骨。尺骨茎状突起。有鈎骨。これらを母指と示指ではさんだ示指で触り分ける。
・筋の付着はない。
・中間位では三角骨は尺屈した時だけ橈骨と接触。
有鉤骨Hamate
つまみ触診。小指の内転外転で動くは中手骨、あまり動かないは有鉤骨。
三角骨を触診。橈屈させて三角骨は潜るため、有鉤骨を触診。
有鉤骨掌側に有鉤骨鉤あり(豆状骨から第ニ中手骨底の間、第4指の長軸上豆状骨に至る前のとこ)。有鉤骨鉤と豆状骨の間がギヨン菅。
母指IP関節を被検者の豆状骨に合わせ、母指の指先を被検者の示指の基部に向かってあてる。そのまま母指を深く圧迫すると有鉤骨鉤が触診できる。
「ギヨン菅」
尺骨神経と尺骨動脈が通過。
豆状骨
回外位。尺骨茎状突起を確認。遠位の豆状骨を触診。掌屈&尺屈で尺側手根屈筋を収縮させて確認。
360度ウリウリ動く。三との関係構造で手関節の運動には関わらない。
小指外転筋の起始。尺側手根屈筋の停止。握ると遠位背側に動く(三角骨は背側に押される)。動くことで握力がアップする。
尺側手根屈筋と小指外転筋の中継点。