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    大腿神経の走行、主な絞扼部位を動画で解説させて頂きました。

    合わせて、筋の支配、皮枝も解説しています。

    「大腿神経」L1234  

    走行  

    L2、L3、L4 から起こり、5〜6mm の幹になる。  

    大腰筋と腸骨筋の間を下降(大腰筋内を貫通する事もあり)。 

    鼠径部の筋裂孔を通過(大腿動脈、静脈は血管裂孔)。 
    大腿動脈の外側に位置しているが、腸恥腱膜弓で隔てられている。
    血管裂孔内では腸腰筋の表面、内側または前を通る(大腿外側皮神経は腸腰筋の外側)。 

    鼠径部の下 4〜5cmで、筋枝と2つの皮枝(前皮枝と伏在神経)に分岐する。
    筋枝は伸筋群に運動枝を出す。前皮枝は大腿前面の皮膚に知覚枝を出す。 
    筋枝と前皮枝は膝の上くらいで終わる。 

    伏在神経は大腿を下降、ハンター管(内転筋菅)を通る。ハンター管出口の内転筋菅から表層に出てくる。 
    縫工筋と薄筋の間に挟まれる形で膝関節内側を通過して、膝蓋下肢と内側下腿皮枝に分かれる。 
    内側下腿皮枝は下腿に向かい、足部内側で終わる。 

    膝蓋下枝は膝蓋骨を含んで、下腿の内側、近位1/3までの範囲を支配。 
    内側下腿皮枝は下腿内側近位部から足関節内果までの広範囲下腿内側の軟部組織の知覚と皮膚を支配している。 

    伏在神経が障害されると、膝内側や下腿内側に痛み・シビレが現れる。伏在神経は運動神経を含まない為、運動麻痺は現れない。 

    ※ハンター管(内転筋間) 

    内側広筋と内転筋(長内転筋と大内転筋)の筋間。広筋内転筋膜で隔てられる。天井には縫工筋。 

    大腿三角下縁から始まり、大内転筋の(内転筋)腱裂孔に終わる。 

    大腿神経、大腿動脈、大腿静脈を通すトンネルとなる。 

    大腿動脈静脈は大腿の遠位3分の1で内転筋間を通過して背側に向かうが、伏在神経は縫工筋の裏側に沿ったまま膝関節内側を通過して下腿に至る。 

    主な絞扼部位 

    (大腿神経) 

    大腰筋内を貫通する事もあり、大腰筋の過緊張により絞扼。 

    大腰筋と腸骨筋の間で両筋の過緊張により絞扼。 

    筋裂孔で大腰筋や腸骨筋、鼠径靭帯の過緊張により絞扼。大腿動脈の影響を受けることも考えられる。解剖学実習でみてきたが、大腿神経、動脈、静脈は同じ膜で包まれている部分があった。 

    *鼠径靭帯 

    外腹斜筋の腱膜により構成される。 
    鼠径靭帯には内腹斜筋や腹横筋も付着し、これらの筋の緊張により鼠径靭帯の緊張が高まると考えられる。 
    又、大腿内転筋群の緊張も鼠径靭帯の緊張に影響すると言われている。 

    (伏在神経) 

    ハンター管(内転筋管)(縫工筋下管)で絞扼。 

    鵞足の手前、縫工筋下部と薄筋の間で絞扼。 

    筋枝

    大腰筋、腸骨筋、恥骨筋、縫工筋、大腿四頭筋、膝関節筋 

    皮枝

    (前皮枝) 
    大腿部前面 

    (伏在神経膝蓋下枝)
    膝蓋骨を含んで、下腿の内側、近位1/3までの範囲。 

    (内側下腿皮枝)
    下腿内側近位部から足関節内果までの広範囲下腿内側の軟部組織の知覚と皮膚を支配している。 


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